幻氷再び

 本日、再び大規模な「幻氷」が確認できました。今日のウトロの気温は9℃くらいまで上昇し、冷たい流氷漂う海の表面に陸地で暖まった空気が流れ込んだものと思われます。3月27日の動画日記には映像を載せていますので気になる方はご覧ください(知床ネイチャーオフィス動画日記 「幻氷」)。
 今回の「幻氷」は、氷の白い帯が宙に浮いているように見えています。能取半島の影に白い帯が重なるようになっているのがわかるでしょうか?水平線の上に一筋の白い帯が・・・。なんだか不思議な景色でした。

 3月27日の「幻氷」の映像は、本日の夕方、NHK札幌放送局「ほっとニュース北海道」の最後の方で18時50分頃?に放送される予定です。気になる方はご覧ください。

ウトロから網走方面の「幻氷」

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藤川

春探し

ぽかぽか陽気、とまではいかないまでも、寒さが緩んで散策しやすい気候に
なってきました。
活動を始めた生き物もちらほらいます。

コヒオドシ

日当たりの良い林道上で見かけたのはコヒオドシ。成虫越冬するタテハチョウの
仲間です。 後翅 の縁に並ぶ青い斑点模様がきれいです。

ミネラル摂取中?

写真だとわかりにくいかもしれませんが、湿った地面の上でストロー上の口
(口吻)伸ばしています。
チョウの仲間がこうして吸水するのは、水分中のミネラルを摂取するためと
言われています。

一株しか見当たりませんでしたが、フクジュソウもそろそろ咲きそうです。

フクジュソウ

もう少しすれば、フクジュソウ以外にも早春の植物が開花し、成虫越冬した
チョウの仲間ももう何種類か飛び出すでしょう。
本格的な春ももうすぐそこです。

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角屋

知らないところで

原生林内を散策中に羽が落ちているのに気づきました。

エゾフクロウの羽のようです。
雪に埋もれているものもあったので掘ってみると出てくる出てくる。

自然に抜けたにしては多すぎる量です。
羽の根本を見てみると、どれも途中でスパッと切れたようになっています。

野鳥が何かしらの捕食者に食べられる際、羽毛は食べてもおいしくないのか
邪魔なのか、残されていることが多いです。
獣が鳥を食べる際は羽毛を噛みちぎるので、羽の根元がこんな感じで切れて
残されます。
ちなみに、ハヤブサやオオタカ等、他の鳥を食べる猛禽類もいますが、
猛禽類は羽を引っこ抜くため根元もきれいに残ります。

ということで、このエゾフクロウは何か動物に食べられてしまったのだと
思います。
エゾフクロウ自身もネズミやモモンガ等の小型動物を捕食する優秀なハンターです
が、だからと言って天敵がいないわけではないようですね。
それにしても、犯人…ではなかった犯獣?は、いったい誰なのでしょうか?
フクロウは夜行性で日中は休んでいることが多いので、
木登りができるエゾクロテン等テンの仲間に休息中に襲われたのかも
しれません。
あるいは、事故や病気で死んで地面に落ちたフクロウを、キツネ等が見つけて
食べたのかもしれません。
現場の状況証拠からは確かなことはわかりませんが、人知れず食う食われるの
ドラマが森の中で繰り広げられています。

フクロウの事件現場の写真だけなのも悲しいので、3年ほど前の散策中に見つけた
エゾフクロウも載せておきます。

トドマツの陰で休憩中

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雪がない!

 数日前に雨が降って以降も気温の高い日が続きました。今月の6日前後は大雪で積雪も一時は1mあったはずなのに、ウトロのアメダスを見るとすでに40cmほどに・・・

フレペの滝遊歩道展望台付近

 フレペの滝遊歩道も展望台付近ではすでに地面が見えていました。この景色は、4月中旬から下旬ごろの景色といってもいいのではないでしょうか。

フレペの滝

 フレペの滝もご覧の通り、氷がだいぶ融解していました。撮影している間にもガラガラと氷が解け落ちる音が入り江に響いていましたよ。あまりにも早い春の訪れを感じました。

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「冬の知床五湖一周ツアー」終了のお知らせ

 いつも知床ネイチャーオフィスのwebサイトをご覧いただきましてありがとうございます。冬の自然体験プログラムについてお知らせがございます。

 「冬の知床五湖一周ツアー」ですが、3月10日~11日にかけて雨が降ったことと気温が高い日が続き雪解けが一気に進んでしまいました。湖の湖面が利用ルートとして設定されており、融解が進んだため安全にご案内ができない状況です。設定期間である3月22日の終了を前倒し、ご案内を終了することとなりました。現在、本日以降にご予約をいただいている皆様には順次ご連絡を差し上げますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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びしょ濡れリス

折角先週雪が降ったのに、その後の高温でせっせと融けてしまっています。
昨日のウトロはアメダスによれば最高気温は15.5℃を記録し、積雪深も
30cm減だとか。ひぇ~。

雪が降った直後に気温が上がると、樹の上に積もった雪が融けて雪融け水が
ぽたぽた落ちてきます。
常緑針葉樹のトドマツの多い原生林内を歩くと、さながら雨でも降っている
ような状態になっていることもあります。
もちろん、地面を覆っている雪も融けて湿っているので、手をついたり
転んだりすると防水の衣類でない限り濡れます。

こういった雪融けの影響は人間だけでなく動物たちも受けているようです。
先日森の中で見かけたエゾリスはこんな状態。

耳先の房毛がびっちゃびちゃ。
いくら気温が高いとはいえ、この時は気温一桁(7℃くらい)だったので、
濡れてると身体が冷えそうです。

で、びちゃびちゃになりながら何をしていたのか、リスが去った後に
近づいて見てみると、

雪を掘り返して貯食しておいたドングリを食べていたようです。
硬い外殻だけでなく、中の薄皮(?)もきれいに剥いて食べていました。

こちらは掘った跡が残っていましたが、木の実の殻は見当たりませんでした。
リスは貯食場所をかなり正確に記憶していると言われていますが、これは
記憶違いだったのかもしれませんね。

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テレビ番組のお知らせ

 いつも知床ネイチャーオフィスwebサイトをご覧いただきましてありがとうございます。テレビ番組のお知らせがございます。

2020年3月13日 夜7時から放送予定
「坂上どうぶつ王国」 フジテレビ

弊社がご案内しました。ぜひ、ご覧ください。

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エゾユキウサギの・・・

 数日前から知床五湖内ではエゾユキウサギの足跡が確認されています。今日、私も自分の目でようやく見ることができました。そして、足跡を辿ってみていると、なんとそこには、「うんこ」が落っこちていました。ウサギの糞は、形が丸いのが特徴です。知床で暮らして15年になりますが、国立公園内の標高の低い場所でウサギ糞を見たのはこれが初めてのような気がします。いいものを見たなぁ・・・。

エゾユキウサギの糞

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春らしくなった?

 ここ数日、林内ではエゾリスの足跡を多く見かけるようになりました。日中の気温が高めになってきていて、活発に活動しているようです。運がいいと遭遇することもあります。今回は、トドマツの上で枝先についている花芽を食べているようでした。貯食を掘り起こした痕跡などもよくみかけるので、散策の際は探してみてください。

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流氷原

 ようやく流氷が知床半島に接岸しました。見渡す限りの流氷原が広がります。「原生林スノーシュートレッキング」では、水平線まで埋まった流氷のオホーツク海と海岸断崖の迫力ある景色が楽しめます。今日は、運良く、クマゲラにも遭遇できました。次はどんな野生動物に出会えるでしょうか?

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