秋の味覚を楽しむのは

哺乳類だけではありません

今回は、サケマスウォッチングのご案内中に出会った生き物をご紹介します

川の流れに負けずに踏ん張るカワガラス

川の周りで観察をしていると時折やってくる小柄な黒い鳥
カワガラスです
周囲を飛び回り、ときには川に潜ります

本日も見事な素潜りを披露してくれていました

時折流されているように見えなくもないが、上手に川の中を動き回っている

主に川底の水生昆虫なんかを食べているということですが
本日の食材はこちら!

口にある赤い物体は…!!

い、いくらを食べている?!?!?

私だってまだ今年のいくらを食べていないというのに
カワガラスに先を越されました…

命がけで産み付けられた卵は
孵る前にこうして食べられてしまうことも多くあります
可哀そうにも思えますが、こうやって命が繋がってゆくのですね

普段は川の周りでのご案内はしていないのですが
今年度は10月4日以降、知床五湖の全周コースを歩くことができないため
知床五湖一周ツアーでは代替のご案内として
一二湖+サケマスウォッチングのご案内をさせていただいております。

この機会にぜひ、サケやマスの遡上見学をガイドとともに行ってみませんか?
本日のように、魚類以外との出会いもあるかもしれません。
皆様のお越しをお待ちしております。


知床ネイチャーオフィス

菊田

今年最後の

本日10月3日は
今シーズン最後の知床五湖大ループ散策可能日でした

私の秋のお気に入りは、四湖からの景色なのですが
この綺麗な紅葉が更に深まる頃
今年はもうここへは来れません…

四湖に映り込む硫黄山がとてもきれい…

少し残念ではありますが、また来年を楽しみにしましょう

明日以降、今シーズンの知床五湖一周ツアー
一二湖(小ループ)+サケマスウォッチングか、原生林散策に内容が変わります

もちろん、四湖以外の紅葉の景色も負けじと美しいので
ぜひとも今後の秋の知床五湖へもお越し頂きたいですね!

今日は山以外の映り込みも綺麗でしたよ

二湖の湖面に映り込むアオサギと紅葉

秋の自然体験プログラムへのご参加もお待ちしております

知床ネイチャーオフィス
菊田

待ってました⑤

待ってましたシリーズ、まだ続きます。

ペレケ川や遠音別川でカラフトマスの遡上が観察しやすくなりましたね。

川の流れが比較的緩やかで、深さのあるところでは
群れとなって泳ぐ姿が観察できます。

水中はこんな感じになっています。

9月の終わりころにはシロザケも遡上してきます。

これからもまだまだ楽しみが続きますね。

カラフトマスの遡上を楽しみにしていたのは、私たちだけではありません。

最近は河口付近の上空や近くの木の上、沿岸部の岩の上に
オジロワシの姿を見かけるようになりました。

木の上にこんな感じで佇んでます。かっこいいですよね。

魚を主食とする彼らにとっても、カラフトマスの遡上は
嬉しいニュースでしょうね。

川へサケやマスを観察しに行く際には、ぜひ空も眺めてみてください。

大きなオジロワシが優雅に空を舞う姿も見ものです。

知床ネイチャーオフィス
藤原

森の狩人

今年はエゾリス、シマリスに比較的よく会える気がします。
ただただかわいいので、私たちは出会えてハッピーじっくり観察できるとなおハッピーです。
が、リスたちが多いと違った意味で喜んでいるヤツらもいるのです。

樹上から辺りを見渡す・・・

エゾフクロウでした。

リスやネズミなどを捕まえて食べる森の狩人です。
ただ彼らの主な活動時間帯は夜。
こうして日中の森の中で出会えるのは中々レアです。
またこんなチャンスがあるといいな、と思うのですが、日中じーーっと動かずにお休み中だとまぁほぼ見つけられる気がしません。

実はこの時の出会いも、たまたまカラスにいじめられて?追われて飛んできてくれたので見つけることができました。
少しかわいそうにも思いますが、心の中でカラスに感謝。

しばらく観察させてくれた後は、音もなく森の奥に飛んでいきました。

知床ネイチャーオフィス
井上

黄色と青と

色々な生き物たちが元気に活動してきている初夏の知床です。
森を歩くと、繁殖期を迎えた小鳥たちの姿や鳴き声がちらほらと。

キビタキ・・・の見返り姿

キビタキの黄色や、

オオルリ・・・の後ろ姿

オオルリの青が鮮やかです。
(瑠璃(るり)色と言った方が正しいのかもしれませんね。)

キビタキもオオルリも、姿だけでなく美しいさえずりも魅力です。
静かに森を歩きながら鳥の鳴き声に耳を傾けるのもいいですね。
ただそんな鳥の声も、ぐっと気温があがってくると、沢山のエゾハルゼミたちの声にかき消されてしまうかも・・・?
まだまだ肌寒いこともあるこの時期、セミが少ないタイミングだからこそ、の楽しみ方かもしれません。

知床ネイチャーオフィス
井上

知らないところで

原生林内を散策中に羽が落ちているのに気づきました。

エゾフクロウの羽のようです。
雪に埋もれているものもあったので掘ってみると出てくる出てくる。

自然に抜けたにしては多すぎる量です。
羽の根本を見てみると、どれも途中でスパッと切れたようになっています。

野鳥が何かしらの捕食者に食べられる際、羽毛は食べてもおいしくないのか
邪魔なのか、残されていることが多いです。
獣が鳥を食べる際は羽毛を噛みちぎるので、羽の根元がこんな感じで切れて
残されます。
ちなみに、ハヤブサやオオタカ等、他の鳥を食べる猛禽類もいますが、
猛禽類は羽を引っこ抜くため根元もきれいに残ります。

ということで、このエゾフクロウは何か動物に食べられてしまったのだと
思います。
エゾフクロウ自身もネズミやモモンガ等の小型動物を捕食する優秀なハンターです
が、だからと言って天敵がいないわけではないようですね。
それにしても、犯人…ではなかった犯獣?は、いったい誰なのでしょうか?
フクロウは夜行性で日中は休んでいることが多いので、
木登りができるエゾクロテン等テンの仲間に休息中に襲われたのかも
しれません。
あるいは、事故や病気で死んで地面に落ちたフクロウを、キツネ等が見つけて
食べたのかもしれません。
現場の状況証拠からは確かなことはわかりませんが、人知れず食う食われるの
ドラマが森の中で繰り広げられています。

フクロウの事件現場の写真だけなのも悲しいので、3年ほど前の散策中に見つけた
エゾフクロウも載せておきます。

トドマツの陰で休憩中

知床ネイチャーオフィス
角屋