飛ぶと飛ぶ

30℃を超える日が増えてきたウトロ。
昨日は21時で29℃。暑くてぐっすりとは眠れなかった…。

この時期のウトロは蒸し暑くなるとあの生き物が飛び、あの生き物も飛びます。
その光景がこちら。

綺麗な夕焼け空。
鳥のシルエットが見えますが、アマツバメという鳥です。
この写真では6羽しか写っていませんが、数十羽が低空を飛んでいました。

何故低空を飛ぶのか?それは、この生き物を狙っているからです!!

羽の生えたアリ!!羽アリ!!
この時期、蒸し暑い日は交尾のために大量の羽アリが飛び交います。
ウトロだと、その大量に飛ぶ羽アリを狙ってアマツバメも飛び交います。

明るい時はそこまで気にならない羽アリですが、夜になると気になる気になる。
夜、羽アリは明かりへと向かう習性があります。
その為、電気をつけたままカーテンを閉めないでいると、窓の外は羽アリだらけ。
部屋が暑いからと窓をあけて網戸を閉め忘れると…悲惨なことが起こります。
ウトロだけではなく、全国どこでも羽アリが発生しやすい時期です。
暑いからと窓を開ける際はくれぐれもお気をつけください。

<追記>
今日は蒸し暑かったので、羽アリが大量発生すると思っていたのですが…
案の定、大量発生してました。
改めて、この時期の窓の開閉は全国的にお気をつけください。

街外れの街灯に群がる大量の羽アリ…

知床ネイチャーオフィス
柴田

楽しそうな声

最近の知床五湖一周ツアーでは
「キョロロン キョロロン チー」と
とっても楽しそうな声をよく聞く気がします

なんだかスキップしているようなリズム
※個人の感想です

枝葉の生い茂った林内で見つけるのは少し難しいですが
その声の正体はこの鳥です

五湖と四湖の間で撮影

赤みがかったお腹が特徴の「アカハラ」です

スズメとハトの間くらいの大きさがあるので
近くで見るとなかなかの存在感があります


そんなアカハラですが
先日はご馳走にありついているところに遭遇しました

三湖沿いにて、木の葉のわずかな隙間から…

お口には何か白い物体が…

これがなんだかおわかりでしょうか?
虫が苦手な方はごめんなさい、羽化したばかりのセミです

最近の知床五湖では
日々びっくりするくらい沢山のセミの羽化が見られています

穴から顔を出している幼虫…
遊歩道を横断している幼虫…
木の幹によじ登っている幼虫…
背中が割れ始めている幼虫…
イナバウアー状態の幼虫…

歩いていると沢山見かけますから
これらを食べるのに忙しく飛び回っているのかもしれませんね

これからもしばらく森の中を賑わせてほしいです
よろしくね


知床ネイチャーオフィス

菊田

巻き巻きするやつ。

森の中では、毎日様々な出会いがあります。
久々にこの虫と出会いました。

この変わった形の虫はオトシブミのオスです。
春、遊歩道上に円筒型に巻かれた葉っぱをよく目にしますが、
それはオトシブミの落し物。

オトシブミのメスは葉っぱを巻き、その中に卵を産みます。
その巻かれた葉っぱは「揺り籠」と呼ばれ、子供の為の家になります。
そして、揺り籠が出来たら枝から切り落としてメスの仕事は終わり。
後は卵から孵った子供が自身の包まれた葉っぱを食べて成長します。

揺り籠の形が昔の手紙(文)みたい。そして手紙(文)を落とす。
その姿が平安や鎌倉時代に直接言えないことを相手の通り道に手紙(文)を
落として伝える行動「落し文」のようだ…ってことでオトシブミになったとか。

なかなか成虫と出会うことは少ないですが、揺り籠はそこそこ落ちています。
大体、春頃に落ちていることが多いですので、踏まないようにご注意ください。

知床ネイチャーオフィス
柴田

夏、がきた?

今日は全国各地でとっても暑くなっているようですね。
夏日や、地域によっては真夏日になった日もあるとか。
おそろしい・・・。

一方、ウトロはといえば?

霧の三湖。これはこれで幻想的。

霧に包まれ、気温は終日7度前後。
とっても寒い一日になっています。
夕方前頃に全国のアメダス低温ランキングを見ると、ウトロは堂々の一位でした。
寒いわけだ・・・。

そんな低温、霧、雨、のお天気の中にもかかわらず、
本日見かけたやつがこちら。

週末暑くなるぞ~、のニュースを聞いて出てきてしまった?

コエゾゼミの幼虫です!
様子を伺っていたのか?それとも羽化しようとしていたのか?
はたまた、キツネにほじくり返されながらも事なきを得たのか・・・?

今の時期もセミたちはいますが、それはエゾハルゼミたち。
コエゾゼミの季節は7月頃。
たまに少しずれた季節に出てきてしまうやつもいるはいるのですが、
さすがに、早すぎやしませんか?

ちなみに、すぐ近くにもう一匹いました。
このコエゾゼミたちの無事を祈りたいところですが、
無事に羽化できたとて、繁殖のためのペアが見つかる気がしない・・・。
(がんばれ!)

知床ネイチャーオフィス
井上

冬ごもり

気温が一桁前半まで冷える日もちらほら出てきました。

そんな中、小春日和の暖かな日差しの中、クジャクチョウを見かけました。

「いつ雪が積もってもおかしくない、こんな晩秋にちょうちょ?」と思うかもしれませんが、
クジャクチョウは成虫越冬する蝶の仲間。
これから建物の中や、落ち葉の隙間に潜り込んで越冬します。

そのため逆に、草木もあまり芽吹いていない春先にも成虫の姿を見ることができます。

知床五湖や知床横断道路も、11月8日で冬季閉鎖になります。
クジャクチョウたちも、そろそろ冬ごもりに入る時期。
良い隠れ場所が見つかって、無事に冬を越せますように。

知床ネイチャーオフィス
井上

足元に気を付けて

ツアー中、道路脇を歩いていると

道路脇の土にトノサマバッタがいました。
産卵中で、人がすぐそばを通過しても動きません。
きっと産卵に集中しているんでしょうね。

足元にも色々な生き物がいますので、踏まないように気を付けて
よ~く観察してみてください。何かを発見できるかもしれませんよ。

知床ネイチャーオフィス
柴田


森の宝石

一か月以上雨が降っていないウトロ。
数日の最高気温が約30℃のウトロ。

     …暑い

森に入ると水不足なのか
    暑いからなのか
下草がシナシナ…
 苔はパサパサ…

なかなかに厳しい環境ですが「森の宝石」は今年も飛んでいます。

綺麗な色合いのミドリシジミの仲間。
この美しい色合いから「森の宝石」とも呼ばれています。
また、このように綺麗な色合いで光るのはオスのみです。

知床は何種類もミドリシジミの仲間がいますので、
散策の際はこの時期ならではの宝石を探してみてください。

知床ネイチャーオフィス
柴田

こんにちは○○ちゃん♪

ここ数日、暖かな日が続くウトロ。
この陽気に誘われて、知床五湖ではこのような出会いがありました…

お分かりいただけますか。
このピントの合っていないモノ…
この時期といえばこの時期のような気もするし、
ちょっと早いような気もする…どっちだっけか。

なにかというと…はい、こちら。

セミ。
こんにちはセミちゃん♪
セミはセミでも、エゾハルゼミです。
先ほどの写真同様にピントが合っていないですね。
エゾハルゼミは名前の通り、春頃に出てくるセミです。
今年も頑張って早く出てきたなーっと思いましたが
来週の気温は一桁台の予報。生き残るといいのですが…

以上、エゾハルゼミと抜け殻の写真でした。

他にもこの陽気でスジクワガタやアリバチ等、色々な虫がいました。
虫好きにはうれしい時期がやってきましたね。

後は、遊歩道上にはこんなモノが…

なかなかに大きなヒグマの足跡。
流石、ヒグマ活動期。
散策中に本体とは会いたくないので、こういう具合の痕跡はありがたいです。

5月頃から8月頃まではヒグマの繁殖期で、興奮しているクマも多いです。
なので、知床五湖の地上遊歩道を歩くには、5月10日~7月31日まで、
登録引率者というこの時期の地上遊歩道を案内できるガイドの引率が必須。
直前のご予約はお受けできない場合がございますので、
気になる方は「知床五湖一周ツアー」をご確認ください。

という真面目そうな案内をしてみるのでしたー

知床ネイチャーオフィス
柴田

春探し

ぽかぽか陽気、とまではいかないまでも、寒さが緩んで散策しやすい気候に
なってきました。
活動を始めた生き物もちらほらいます。

コヒオドシ

日当たりの良い林道上で見かけたのはコヒオドシ。成虫越冬するタテハチョウの
仲間です。 後翅 の縁に並ぶ青い斑点模様がきれいです。

ミネラル摂取中?

写真だとわかりにくいかもしれませんが、湿った地面の上でストロー上の口
(口吻)伸ばしています。
チョウの仲間がこうして吸水するのは、水分中のミネラルを摂取するためと
言われています。

一株しか見当たりませんでしたが、フクジュソウもそろそろ咲きそうです。

フクジュソウ

もう少しすれば、フクジュソウ以外にも早春の植物が開花し、成虫越冬した
チョウの仲間ももう何種類か飛び出すでしょう。
本格的な春ももうすぐそこです。

知床ネイチャーオフィス
角屋