黄色と青と

色々な生き物たちが元気に活動してきている初夏の知床です。
森を歩くと、繁殖期を迎えた小鳥たちの姿や鳴き声がちらほらと。

キビタキ・・・の見返り姿

キビタキの黄色や、

オオルリ・・・の後ろ姿

オオルリの青が鮮やかです。
(瑠璃(るり)色と言った方が正しいのかもしれませんね。)

キビタキもオオルリも、姿だけでなく美しいさえずりも魅力です。
静かに森を歩きながら鳥の鳴き声に耳を傾けるのもいいですね。
ただそんな鳥の声も、ぐっと気温があがってくると、沢山のエゾハルゼミたちの声にかき消されてしまうかも・・・?
まだまだ肌寒いこともあるこの時期、セミが少ないタイミングだからこそ、の楽しみ方かもしれません。

知床ネイチャーオフィス
井上

知らないところで

原生林内を散策中に羽が落ちているのに気づきました。

エゾフクロウの羽のようです。
雪に埋もれているものもあったので掘ってみると出てくる出てくる。

自然に抜けたにしては多すぎる量です。
羽の根本を見てみると、どれも途中でスパッと切れたようになっています。

野鳥が何かしらの捕食者に食べられる際、羽毛は食べてもおいしくないのか
邪魔なのか、残されていることが多いです。
獣が鳥を食べる際は羽毛を噛みちぎるので、羽の根元がこんな感じで切れて
残されます。
ちなみに、ハヤブサやオオタカ等、他の鳥を食べる猛禽類もいますが、
猛禽類は羽を引っこ抜くため根元もきれいに残ります。

ということで、このエゾフクロウは何か動物に食べられてしまったのだと
思います。
エゾフクロウ自身もネズミやモモンガ等の小型動物を捕食する優秀なハンターです
が、だからと言って天敵がいないわけではないようですね。
それにしても、犯人…ではなかった犯獣?は、いったい誰なのでしょうか?
フクロウは夜行性で日中は休んでいることが多いので、
木登りができるエゾクロテン等テンの仲間に休息中に襲われたのかも
しれません。
あるいは、事故や病気で死んで地面に落ちたフクロウを、キツネ等が見つけて
食べたのかもしれません。
現場の状況証拠からは確かなことはわかりませんが、人知れず食う食われるの
ドラマが森の中で繰り広げられています。

フクロウの事件現場の写真だけなのも悲しいので、3年ほど前の散策中に見つけた
エゾフクロウも載せておきます。

トドマツの陰で休憩中

知床ネイチャーオフィス
角屋