知床の夏鳥

 知床には、さまざまな夏鳥たちが繁殖のために遠い場所からやってきます。5月から6月にかけては繁殖期で美しい囀りがいたるところで聞くことができます。今回は、出歩いて撮影した中でうまく撮れた野鳥たちを紹介します。本当は、囀りをしっかりと収録したかったんですが・・・。



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藤川

覚醒

 今季、初のヒグマと遭遇しました。双眼鏡で確認すると何かを食べているようで、その場をじっと動くことはなく、首を上下に動かしているように見えていました。知床は、海岸線が断崖になっており、雪解けが一番早く訪れます。エゾシカやヒグマはそれをよく知っていて、いち早く出てくる草本を食べるのです。冬眠から目覚めたヒグマがこれから活発に活動します。遊歩道の散策などは十分な注意が必要です。



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知床五湖にミンク

 今日、知床五湖をご案内中に四湖で珍しい動物に遭遇しました。映像では、2頭の小さな黒い生き物が素早く移動している様子が映っています。生き物はアメリカミンクです。道東では戦後に毛皮を目的に飼育されていましたが、一部が逃げて野生化し定着しています。知床五湖でも以前から目撃はあるものの、私も年に1度あるいは数年に1度のペースでしか見たことがありません。映像に残せたのは珍しいことです。2018年のグリーンシーズンにも多数の目撃があり、小さな個体も確認されているので知床五湖では繁殖しているものと考えられます。特定外来生物にも指定されているため個体数の増加や分布の拡大に注意が必要な生き物です。

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ワシたちとエゾライチョウ

 12月に入って、ワシたちの姿を多く見るようになってきました。各河川の河口部には必ず数羽程度のオオワシやオジロワシの姿が見られました。おそらく遡上後に死んでしまったサケを狙ってやってきているのでしょうね。河川が凍って、そうした食べ物が得られなくなると観察しにくくなってくるでしょう。流氷がやってくる頃には、再び観察しやすくなるかと思います。そして、フレペの滝の遊歩道を歩いていたらエゾライチョウに遭遇しました。今年は比較的遭遇率が高く、遊歩道などを歩いているとよく鳴き声を耳にしました。姿もちょこちょこ見ていましたが、すぐに飛んで逃げるので、じっくり観察とはなかなかいかない野鳥です。たまたま樹の冬芽をつがいでついばんでいました。こうした野鳥の観察も楽しいですね。

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