食べ物を探すヒグマ

 海岸草原を歩いていると、単独のヒグマと遭遇しました。この時期、ヒグマはエゾノシシウドなどのセリ科草本を食べていることが多いですが、知床半島では、エゾシカの影響により海岸植生の多くが失われています。そのため、海岸草原ではアリの巣を掘り起こして食べるなど、植物以外の食べ物を探していることもあります。このヒグマは、草丈が高いため地面付近で何をしているのか詳細はわかりませんが、食べることのできる草本類やアリなどを探しているのではないでしょうか。知床国立公園には、フレペの滝遊歩道や知床五湖遊歩道があり、散策中にヒグマに遭遇することもあります。十分な距離を取り、大騒ぎをして相手を刺激することのないように、その場をゆっくりと離れましょう。

※撮影には超望遠レンズを使用しています。



知床ネイチャーオフィス
藤川