知床の原生林の春

 今月上旬の原生林の様子です。例年だと標高300m付近はまだまだ雪深く、スノーシューが必要な場所ですが、今年は、冬の少雪の影響ですでに雪が融けてなくなっていました。原生林内を走る「枯れ沢」も6月中旬まで流れがあるはずが、すでに枯れ。7月中旬まで水がある沼も干上がってしまっていました。ここで暮らすエゾサンショウウオやエゾアカガエルにとっては、産卵場所を失っているため大きな影響が出ているのではないでしょうか?逆に沼の中に点在して生育しているヤチダモはしっかりと種子を落とし、たくさんの稚樹を育んでいました。春に水のない沼からの羅臼岳の景色は、なかなか見ることができないので、ラッキーでした。



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藤川

知床のミズバショウ

 ちょうどゴールデンウィークにあたる4月下旬から5月上旬にかけて雪解けが進んだ湿地帯では、ミズバショウが見ごろを迎えています。ミズバショウというと尾瀬を思い浮かべる方が多いかと思いますが、知床にも大規模な群落がいくつかあります。現在は新型コロナウイルスの影響で閉鎖している知床五湖もミズバショウがたくさん咲く場所です。(今回撮影したところは別の場所)そろそろ、知床にも桜前線がやってきます。本格的な春を迎えます。



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ウトロから大雪山系

 数日前に撮影した動画です。冬から春にかけて気温が低く、大気が澄んでいる日にウトロから遠くの山々を見ることができます。それは、大雪山系です。直線距離で約180kmも離れていますが、遮る山体がないため見えることがあります。年間に何回も見る機会はありますが、ここまではっきりと確認できる日は多くありません。気が付かない人の方が多いのではないでしょうか?双眼鏡や望遠レンズで確認してみると真っ白な山々が綺麗に見えていました。春は午前中にしか見えませんので、気になる方は水平線を眺めてみてはいかがでしょうか?



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