より北国へ・その2

前回に引き続き、アラスカ旅行についてもう少しご紹介します。
今回の旅行は「オーロラメイン」の旅行だったのですが、
そもそもこの時期だと、オーロラメインにせざるを得ません。

というのも、フェアバンクスの緯度はおよそ65度。
知床の44度と比べても遥かに北に位置しています。
そのため冬至の近いこの時期、「日」がものっすごい短いんです。
10時30分頃に上ったと思ったら14時30頃には沈んでいってしまいます。

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(ちょうど10時30分頃、夜明けです)

この時間に朝焼けが、と思っていると、お昼といえないお昼を挟み、そのまま夕暮れに移り変わります。
そして、ものの4時間で沈んでいきます。
昼がほとんどないので、夜型生活になるしかないですね。

そんな短いお昼にも、せっかくなので周辺を散策してみました。
スケールこそ違うものの、道東・知床と割と近い部分が多く見られるのがおもしろい所。

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多く見られた樹はトウヒの仲間とカバノキの仲間。
同じ仲間だと、知床ではエゾマツ・アカエゾマツとシラカバ・ダケカンバが見られます。
こちらは知床のものよりも「とんがり具合」がやや鋭い気がします。

※知床ではモミの仲間、トドマツもかなり多く見られますが、
トウヒもモミも、どちらもクリスマスツリーに使われる樹。
つまり、似たような樹形ってことですね。

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(アカエゾマツを思い出させる枝葉)

動物相も共通する部分が多く、
クマやシカ、キツネといった知床でのレギュラーメンバー(?)の他、
リス、ウサギ、ワシ、さらにはビーバー、ナキウサギ、ジャコウウシ、オオカミなど、
聞いただけでワクワクするような動物たちが暮らしています。
(きりがなくなるので、具体的な種名は割愛します。)

今回は季節的な要因もあり、残念ながら動物にはほとんど出会いませんでした。
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こちらは出会った?数少ない動物のひとつ、宿のそばで飼育されていたトナカイ。
蹄(ひづめ)周りのもさもさした毛が、周りの環境の厳しさを物語っています。

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おまけでヘラジカ(ムース)の剥製。
この巨大な角!
大きな個体では肩高2m以上、体重800kg以上の記録があるとか・・・。
北海道はでっかいどう、なんて言っていられませんね。
地理的に見てもアラスカはものすごく広いですしね。

まだ見ぬ地、まだ出会っていない動物たち、色んな季節。。。
今度は日が長い季節にまた訪れてみたいものです。

さて、今回もそんなアラスカの自然に驚いてばかりでしたが、
例によって我らが知床も決して負けていない点があります。

それは冬の知床で見られる流氷。
海が流氷に埋め尽くされる景色は世界広しと言えど、見られる場所は限られます。
アラスカもお勧めなのですが、遠さ寒さに躊躇してしまう方も多いでしょう。
まずは小手調べ、お気軽に国内旅行で知床に極北の景色を見に来てはいかがでしょうか?

知床ネイチャーオフィス
井上

より北国へ

今月上旬、休みを利用して、
北海道知床よりも、ずっと北の国に出かけてきました。

行ってきたのはアラスカ、フェアバンクスです。
この時期のアラスカといえば、ご存知の方はピンとくるかと思います。
そう、今回のメインはオーロラを見ること!(&撮影も)

フェアバンクスは内陸に位置するため、この時期は晴天率も高く、
4夜観測チャンスがある行程のため、きっと見られると思いつつ、
出発まで不安は拭いされないでいました。

ところが!結果的には、そんな不安はどこへやら。
最終日こそ曇ってしまいましたが、
幸いにも、それ以外の3夜全て美しいオーロラに出会えました!

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この時期の平均最低気温が-26℃のフェアバンクス、
過酷な環境ながらも、カメラも問題なく動作してくれました。
温度計がなかったため、実際に何℃だったのか定かではありません。
ただ、ネックウォーマーがないと肌を刺すような寒さが耐え難く、
ウトロでは凍らない部分(まつ毛や鼻の中)も余裕で凍っていたので、
きっと-20℃は大きく下回っていたんだろうなぁ、と思っています。

さて、オーロラといえば、上や下の写真のような、
緑に紫、時に赤色で、カーテンのようにひらひら、
というイメージをお持ちの方が多いかと思います。

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しかしこれは、人間の目よりも感度の高いカメラを通した様子。
実際はうっすら白っぽく、ぼんやりと緑がかって見えることが多いです。

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形も、あまり発達していない時は、
こんな「すじ雲」や「もや」のような姿が見られます。
始め見たときは、「これは・・・雲?」と思ってしまうほど。

しかし、いついかなる時も油断なりません。
この「雲」がカーテンになり、ゆらゆらしだしたかと思ったら、
みるみる内にさらに形を変え、空いっぱいをぐわんぐわんと動きまわることがあります。
寒いから、と室内にいると見逃してしまいます。

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「オーロラ爆発(break up)」と言われるこの現象ですが、
あまりにも、壮大で、素晴らしすぎて、
言葉でうまく伝えることができません。
「すごい!」としか言いようがありません。
もうほんと・・・すごいです。

カメラの画角に収まることなどなく、
ものの数秒の間に空のあっちからこっちに激しく動きます。
明るさもそれまでとは比べ物にならない程で、、
肉眼でも緑や赤色のグラデーションがはっきり見えました。

言葉のみならず、写真でもこの感動の全てはとても伝えきれません。
ちなみに上の写真は5秒間露光した写真です。
この5秒でも明るい部分は光が飽和してしまっていますし、
激しい動きを捕えきれていません。
それほどの速さでぐねぐね、ぐわんぐわんと動いています。
想像よりもずっと激しい、大きな動きに、ただただ驚きです。

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(別のタイミング、真上方向を撮った写真)

オーロラの発光や動きのメカニズムについては、
かなり小難しい話になり、まだまだ不明な部分も多いようですので、
ここでは割愛させていただきます。

細かい理屈はさておき、
このオーロラ、今までに見た何よりも壮大な、スケールの大きな現象でした。
地球を少し飛び出して、100kmから500kmの上空で起こっていることですしね。
壮大なわけです。
一生に一度は!と思っていましたが、
機会(とお金)があればぜひまた行ってみたいなぁ、と思い直しました。
皆さまもぜひ!

あ、そうそう、オーロラを除いた星空の美しさでは、
知床も負けていませんでしたよ!
(その2へつづく)

知床ネイチャーオフィス
井上

最近の原生林

例年に比べ暖かい日が続いてなかなか根雪にならない今年の冬。
森の中はどんな様子になっているか気になって歩いてきました。
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男の涙

滝はまだじゃんじゃん流れていますが、周辺は凍りつつあります。

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象の鼻

この日は曇りでしたが、知床岬までばっちり見えました。
断崖にはハヤブサもいましたよ。

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ハヤブサ

写真には1羽しか写ってませんでしたが、2羽確認できました。
つがいでしょうか?

森の中の積雪深は10cm程。
この日は風もなく、静かな森の中をスノーブーツでサクサク歩けました。
歩くのは楽ちんですが、やはりふかふかのパウダースノーが恋しくなる
この時期、早く一面の銀世界になってくれることを期待したいですね。

知床ネイチャーオフィス
角屋

珍客来訪

11月も中旬になり、知床に来られる方も随分少なくなりました。
そんな時期の恒例行事(?)、事務所の大掃除を行いました。
毎年夏と冬シーズンの間に行っています。

そんな作業中、誰も来ないかと思われた所に、思わぬ珍客が!

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キタイイズナがお越しになりました!

事務所周辺にもネズミ類がうろうろとしているので、
おそらくそのネズミを求めてやってきたのでしょう。
こんなかわいい顔して、どう猛な肉食獣なのです。

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大掃除荷物に紛れて隠れる所がいっぱい。
(周りをスタッフたちに囲まれて逃げ惑っています)
あまりにも素早すぎて写真を撮るのも一苦労でした。

こんなかわいい来訪者なら、いつでも大歓迎です。
また来てくれないかなぁ。

知床ネイチャーオフィス
井上

お達者で

夏鳥は去り、冬鳥たちが飛来してきている今日この頃、
渡り途中の珍しい鳥でもいないものかと散策に出かけました。
見つけたのはこちら。

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コマドリ♂
日本三大鳴鳥のひとつで日本へは夏鳥として飛来します。
特別に珍しい鳥、というわけでもないですが、実は個人的に見るのは
初めてです。
繁殖期である初夏にさえずりを聴くことは年に何回かあるのですが、
見たいな、見たいなと思いつつ、実際に姿を見たことはこれまで
なかったのです。
そんな夏鳥にこの11月という時期に出会えて、感動もひとしおです。

しかし、もうすぐ冬が来るというのに、まだこんなところでのんびり(?)
していて大丈夫なのでしょうか?
彼らの越冬地は中国南部とのことですが、小さな体一つで渡っていくの
には結構な距離でしょう。
なんにせよ、気をつけて行ってね。

森の中も木々の葉が落ちて見通しが良くなり、これからは野鳥観察の
しやすい季節です。

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角屋

 

 

落葉の絨毯と・・・。

11月にも入り、多くの樹々が既に葉を落としています。
どこもかしこも落葉の絨毯になっていて、
歩くと鳴る、カサッ、ガサッという音が心地良いですね。

さて、ここはとある場所の落葉だまり。

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そこにいるのは・・・シロザケ!?

実はこれは、森の中でも池の中でもなく、遠音別(オンネベツ)川の中。
先月の嵐の影響で、河道が大きく変わってしまったようで、
一部水たまりのような場所ができています。
おかげ様で、とっても観察がしやすいです。

子孫を残すために遡上してきた彼らも、緩やかな流れで一時休憩でしょうか。

知床ネイチャーオフィス
井上

光る眼の謎

11月に入り、日中でも気温が一桁の日々が増えてきました。
野外で昆虫を見かけることもめっきり減りましたが、
冬に成虫が発生するフユシャク(蛾)の仲間は、
日中や夜間に飛んでいるところを見かけます。

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寒い中たくましいですね。
ちなみに、飛んでいるのは全てオス。
メスのフユシャクは翅が退化しているため飛べません。

ところで、夜活動する動物たちの眼は、ライトの光を当てると
光りますが、哺乳類だけでなく、ガの眼もライトを当てると
きらっと光って見えることがあります。

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上の写真をトリミングしたもの。

ただし、ガを含めた昆虫の眼は複眼で哺乳類とは構造が異なります。
それじゃあ眼が光って見えるメカニズムも哺乳類とは違うのだろうかと
疑問に思って調べてみたのですが、
ガの眼は捕食者から身を守るために、むしろ光を反射させにくい構造
(モスアイ構造)になっているそうです。

…???
思わぬ結果にびっくりしてしまいました。
自然界の月の光ぐらいならともかく、ライトのような強力な光だと
流石に反射してしまうのでしょうか?

疑問が増えてしまいましたが、生物の身体の構造は調べてみると
奥が深く面白いと思ったのでした。

知床ネイチャーオフィス
角屋

大判?小判?

昨日五湖をご案内した際、知床ではあまり見ない鳥が一羽。

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オオバンです。
全体的に黒く、クチバシから額にかけて白いのが特徴です。
北海道では夏鳥ですので、そろそろ南下の時期でしょうか。

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さて、このオオバンですが少し変わった足をしています。
上の写真のように泳ぐので、勿論足には水掻きがついているのですが、彼らの足は私達のよく想像する水鳥の足とは違います。
カモメ等のように、足の指と指の間に水掻きがついておらず、指一本一本に独立した弁足という水掻きがついています。
そのような足をもつ他の鳥としては、知床五湖でもよく見るカイツブリ等がいます。なかなか面白い足ですので、一度でいいからじっくりと至近距離で足を確認してみたいです。

足の写真があると非常にわかりやすいのですが、距離もあり、泳いでいたので撮れませんでした。
撮れたら再度アップします。

知床ネイチャーオフィス
柴田

夕景

初雪も終え、海はいつもの大荒れ、観光に来られる方の姿もぱらぱら。
(海はここ数日は落ち着いていますが。)
晩秋の知床らしくなってきました。

しかし、男心(女心)と秋の空、とはよくいったもの、
昨日も天気と予報がころころと変わりました。
曇りかと思ったら晴れ予報、かと思ったらあれ、小雨が・・・?

大分振り回された気がしますが、それでも澄んだ秋空、
最終的には雲間からこぼれた夕陽がキレイに空と海を染めてくれました。

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随分と日の沈む位置も南よりになってきています。
日没時間16時15分。
秋、深まっていますね。

知床ネイチャーオフィス
井上

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