カテゴリー別アーカイブ: 野生動物

嵐の前の散策

昨日のウトロは結構すごい嵐だったようですね。
ちょっとウトロを離れていたので全容を知らないのですが、
自宅のアンテナが吹き飛んだか折れたのか、昨晩からテレビが
映りません。

そんなことはさておき、嵐が来る前に森の中を散策してみた
ところ、雪解けの早い場所ではフクジュソウが満開でしたよ。

花の中をのぞくと、ハナアブの仲間が集まっていました。


(ムツモンホソヒラタアブの仲間?)

見ての通り、フクジュソウの花はパラボナアンテナのような形を
しているのですが、テカテカした花弁が太陽の光を反射し花の
中心部に熱を集め、花の内部は外気温に比べて10℃程気温が
高くなっています。
おかげで、まだ気温の低い早春にフクジュソウを訪れたハナアブ
たちは、花粉を食べられるのと同時に花の上で暖を取ることが
できます。
もちろん、フクジュソウも別にボランティアでこんなことを
しているわけではなく、虫たちを誘引し、受粉を手伝って
もらうのが目的です。

ところ変わって雪解け水の溜まった林道脇では、
既にエゾアカガエルの産卵が始まっていました。

先週はまだなかったので、ここ数日から1週間のうちに
産み落とされたようです。

産卵中の個体はいませんでしたが、数匹のオスが卵塊のある
水溜りに集まっていました。
近づいたせいで隠れてしまったカエルたちを鳴きまねで
呼び寄せようとすると、一応顔は出してくれるのですが。


…なに、これ……下手なんですけど……。

と思っているかどうかは知りませんが、すぐに感づいて隠れて
しまいます。
鳴きまねでエゾアカガエルを鳴かせてみたいと前々から
チャレンジしていますが、なかなかうまくいきません。

生き物たちも各々が繁殖に向けて動き出しているところに直撃
した嵐。
果たして皆無事にやり過ごせたでしょうか。

知床ネイチャーオフィス

角屋

やっぱり難しい

数日前までは暖かかったのですが、昨日、一昨日は北風が
吹いて肌寒いウトロです。
毎年のことながら、なかなか順調に暖かくはならないですね。

さて、ぽかぽか陽気だった先日出かけた先で、あの皆の
アイドル(?)に出逢いました。

そ、そのつぶらな瞳と綿玉のような白い姿は……!

シマエナガです。

以前撮影したものよりはましですが、藪の中にいたので
やっぱり何だかいまいちですね。
あと、ちょうど羽繕い中の個体だったので羽がぼさぼさです。
まぁ、羽繕い中でじっとしていてくれたので写真が撮れたの
ですけど。

また撮影できるチャンスに巡り会える日を期待しつつ、この日も
シマエナガの群れを見送ったのでした。

知床ネイチャーオフィス

角屋

 

春の生き物たち

4月に入り雪解けがどんどんすすんでいます。
道路沿いで所々地面が見えるようになってきました。

融雪がすすんで地面が見えてくると、雪に埋もれていた植物の
種子や落ち葉の下の昆虫類を探すために鳥がやってきている
ことがあります。
そんなわけで、鳥を探して歩いてみたのですが、残念ながら
採餌中の鳥は見当たりませんでした。
代わりに春らしいものを見つけましたよ。


コヒオドシ

成虫越冬するチョウです。後翅の青い斑点模様が美しいですね。
昨年10月にこんなチョウたちもご紹介しましたが、
みんな同じタテハチョウ科のチョウです。
無事に冬を乗り切ってくれたみたいです。

コヒオドシは本州にも生息していますが、冷涼な気候に適応した
高山に生息するチョウです。
本州の低地でも見かける春らしいものだとこちらでしょうか。


フキノトウ

雪解けを待ちわびたかのようにそこかしこに生えていました。

これもフキノトウが生えていた跡なのですが、地上部がごっそり
無くなっています。
恐らく早々にエゾシカに食べられてしまったのでしょう。

生き物たちの活動がどんどん活発になり、散策が楽しい季節に
なってきました。

知床ネイチャーオフィス

角屋

命がけのかくれんぼ

まだまだ外は雪景色ですが、真冬に比べて日中の気温もかなり
上がるようになりました。
穏やかな陽気に誘われて、ついつい休日も森の中へ繰り出して
しまいます。

天気の良い日の午後、ちょっと難易度の高い探し物をして
みました。
このミズナラの枝には、ある昆虫の卵がついているのですが
わかりますか?

正解はこちら

冬芽の根元についている白い粒々、実はこれ、ミドリシジミと
いうチョウの仲間の卵です。
写真で見ると割とわかりやすいですが、ミズナラの樹皮の
イボ(?)に擬態させています。
おまけに直径1mm程の小さな卵なので、肉眼ではパッと見ても
すぐにはわかりません。
冬期の餌探しに必死な小鳥たちの目を欺くための策なの
でしょうね。見つかったら食べられて終わりですから、
何ともハイリスクなかくれんぼです。

拡大してみるとこんな感じ(かなりトリミングしてあります)。

卵の表面は意外とぶつぶつしています。
ミドリシジミ類は卵の表面の模様が種類ごとに異なるので、同定
に役立ちます。
調べてみたところ、ジョウザンミドリシジミの卵のようです。

卵から孵化した幼虫はミズナラの新芽を食べて成長します。
幼虫も是非探してみたいなぁと思うのですが、その頃には
雪も融けてしまい、高い所の枝には手が届かなくなってしまう
ので、残念ながら確認できません。

雪が残っている今だからこそできる探し物でした。

知床ネイチャーオフィス

角屋

只今餌探し中

今日は「フレペの滝スノーシューハイキング」ご案内中に
クマゲラを見ました。
「原生林スノーシュートレッキング」で見かけたり、
声を聞くことは度々ありますが、フレペの滝周辺で見かけたのは
久しぶりです。
コツコツと樹を叩く音を頼りに探してみると。

チラッチラッ

少し私たちのことを気にしているようでしたが、こちらがじっと
していると安心したのか、すぐに穴堀りを再開しました。


ここらがいいかな?
えいっ


力いっぱい叩いているため写真がぶれました。

よくよく見ると、頑丈そうな趾と尾羽でしっかりと体を
支えているのがわかります。
キツツキ類は尾羽の羽軸が固い他に、4本の趾の内2本が前を向き
2本が後方に向いている対趾足(たいしそく)である等、
樹の幹に縦にとまるのに適応した体つきをしています。

このクマゲラは餌を探している真っ最中なのですが、
結局20分以上樹の幹を掘っていました。
私たちがフレペの滝を見て帰る際にもまだ掘っていましたが
満足いくまで餌にはありつけたでしょうか?

知床ネイチャーオフィス

角屋

海の賑わい

流氷が離岸し始め、寂しくもある今日この頃ですが、
海面が開いたため河口以外の場所でも鳥たちを
見かけることが多くなってきました。


カワアイサ(オス)
(自分にカメラが向けられているのを気にしています。)


オオセグロカモメ

鳥たちで海が賑わってくると、こちらもうきうきとした気分に
なってきます。

オオワシ、オジロワシの姿もまだまだ見られますよ。


(上の写真2枚とは別の日に撮影)

カラスも交えてお食事中。
1羽が魚を捕らえたところに集まってきたようです。
(目撃者スタッフ井上談)

北海道で繁殖する一部のオジロワシを除き、繁殖地へ旅立つ日が
近づいています。

 

知床ネイチャーオフィス

角屋

カモ色々

オフィス前の海に流氷が広がる景色もすっかり当たり前に
なりました。
海面が流氷に覆われると、漁港や河口周辺等、氷に覆われて
いない場所にカモ類が集まっていることがあります。
彼らにとっては、採餌や休息のための貴重な場所なんで
しょうね。

昨日の幌別川河口にも、ちらほらとカモが集まっていました。
一口にカモといっても、様々な種類がいます。更には雌雄、年齢
などでも羽の色が変わってくるので、結構判別が難しいのです。


まずこれはホオジロガモ(オス)
名前の通り、頬に白斑があるのが特徴ですね。


同じような感じで嘴の周辺が白いのがいますが(中央上)、
こちらはスズガモ(メス)。
その下にいるのはホオジロガモ。地味な羽色なのでメスかと
思いましたが、調べてみたところオスの第一回冬羽(まだ若い
オス)なようです。頬にうっすらと白斑が入るのがポイント。
右側のは何でしょうか。角度的にちょっとわかり難いです。


2枚目の写真の不明個体と多分同じ個体(上)。
キンクロハジロ(メス)だと思いますが、脇や翼の色が違う
ような気も…ちょっと確信が持てません。
因みに下のはホオジロガモ(オス)ですね。

このように、じっくり観察してみると、意外と色々な種類の
カモがいることがわかります。
ハンドブック片手にカモウォッチングをするのも、なかなか
面白いですよ。

知床ネイチャーオフィス

角屋

冬の知床五湖ツアーが始まりました

本日から冬の2ヶ月限定で行われる「冬の知床五湖ツアー
が始まりました。
と、いうわけで、ネイチャーオフィススタッフとしては
トップバッターでご案内してきましたよ。
スタート時は晴れていたのですが、歩ているうちにだんだんと雲
がかかってきていました。
時折山頂が雲で隠れていたものの、知床連山が一望できたので
ツアー初日としては天気は上々だったのではないでしょうか?


一湖から望む羅臼岳

湖の真ん中についていうのはエゾシカの足跡のようです。
去年に比べて動物の足跡が多い印象です。
まだ雪が少ないので、湖周辺の笹の葉を掘り起こして食べている
のではないかと思います。

エゾクロテンらしき足跡も所々についていましたよ。

両足を揃えて、ちょんちょんちょんちょんとついているのが
特徴です。
何故こんなスナップ写真のような写真かというと、
ちゃんとカメラは持って行ったのですが、バッテリーが無かった
ため、外の明るさで良く見えない液晶を覗いてスマホで撮った
写真だからです。

厳冬期の知床五湖ツアー、バックカントリーの散策ですので、
しっかりとした防寒対策をしてご参加くださいね。

知床ネイチャーオフィス

角屋

 

あまり見ない顔

近くで鳥が賑やかに動き回っていたので、何だろうと音のする方を観察すると、可愛いお尻が見えました。

(全体的にふっくら体形。かわいい真っ赤な尾羽)

そう、ヒレンジャク!
西日本では赤い尾羽のヒレンジャクに出会える確率が高いと言われていますが、東日本はあまりヒレンジャクと出会うことがありません。
ただ、西日本とは違って黄色い尾羽のキレンジャクと出会う確率が高いです。

北海道の他の地域でも、今年はキレンジャクよりもヒレンジャクの方が多く見られているという話も聞くので、今年は割合的にヒレンジャクが多くて観察しやすいのでしょうか。

(ヒレンジャクの群れ)
是非とも、次は赤と黄色のコラボレーション。
キレンジャクとヒレンジャクの混群に出会いたいです。

知床ネイチャーオフィス
柴田

あけましておめでとうございます。

あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い致します。

年末年始は皆さまいかが過ごされたでしょうか?
私は帰省しておりました。帰省中は天気も良く、
かなり暖かい日が多かったように思います。
ウトロに戻ってきて寒さが身にしみますが、今季は流氷も
順調に南下してきているようで、接岸が今から楽しみですね。

酉年にちなんで鳥関係で何か縁起の良いものを…と思ったの
ですが、最近ウトロで写真を撮っていませんでした。
代わりに年末撮影したこちらをどうぞ。

170107
コミミズク(野付にて撮影)

ウトロの写真ではなくてすみません。

今年1年が、皆様にとって福の多い年となりますように!

知床ネイチャーオフィス

角屋